自閉症と遺伝の話~騙されないで!~

発達障害と遺伝

自閉症や発達障害は

遺伝が影響するのかについて

気になって調べてみました。

こういった分野も、

親御さんの不安をあおりやすく

詐欺に使われやすい一方で、

誤解も生みやすく、

あまり詳しく書かれることもないと思います。

結論は予想通り

「ある程度は、遺伝する」

自閉症の遺伝に関しては

結構、研究によって数字が違って

遺伝率50-80%とされています。

では、遺伝率って何??

となりますよね。

数字が%で出ていると、

まるで、

「自閉症の親から、

自閉症の子どもが生まれる確率」

に見えますが、違います。

表現型=例えば、自閉症かどうか

遺伝子が決める割合

になります。

言い換えると、

その人の成長に関わる要素を

「環境」と「遺伝子」に

分けて考えた時、

「その人の状態を決めている要素」が

遺伝子である割合です。

まだ分かりにくいと思うので、

ものすごくざっくり言うと、

自閉症で考えると

一卵性双生児(=同じ遺伝子)が

偶然、一人ずつ違う親に育てられた場合に、

1人が自閉症の時、

もう1人が、自閉症である確率、

が一番近いと思ってください。

(違う親を想定するのは、

同じ親だと基本的には

食事や教育、友人などが同じになり、

「環境」も同じになるからです)

100%であれば、

「遺伝子で全て決まっているので

環境が違っても、同じ状態になる」もの

数字が低ければ

「遺伝子も影響しているけど、

環境の影響もある」もの

になります。

自閉症の遺伝に話を戻すと

自閉症の遺伝率が50-80%くらい

この数値だけでは、

感覚的には理解しにくいと思うので、

他に、想像の付きやすい特徴の

遺伝率を載せます。

指紋 95-98%

肥満 80-90%くらい

身長 70-90%くらい

知能指数 70-80%くらい

高血圧 50%くらい

糖尿病 50%くらい

性格 50%くらい

アルコール中毒 50%くらい

喫煙 50%くらい

になります。

実際の数字で聞くと、

肥満の遺伝率の高さに驚いたり、

喫煙やアルコール中毒が

ある程度遺伝子で決まっていることに

驚きを感じるんじゃないでしょうか。

分かりやすい身近な

高血圧で言うと、

遺伝率は50%くらいです。

高血圧の親から

将来的に高血圧になる子が産まれる

確率は20-30%くらい

高血圧じゃない親から

将来的に高血圧になる子が産まれる

確率は10%くらいです。

決して、

親が高血圧=子も絶対に高血圧 

ではないし

親が高血圧じゃない=子も絶対に高血圧じゃない 

でもない

ですが、影響は確かにある。

それと同じで、

子が自閉症=親や兄弟、孫が自閉症

は間違いですが、

そうじゃない場合と比べて、

確率が高くなるのは、本当です。

が、自閉症の場合、話はもっと複雑です。

長くなったので続きます。

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