お金を盗んだ小1の医師子、警察署に呼ばれ…

daily life for ASD

子どもの話を信じると決めた夫婦の行動

 

前回は、我が家の長男「にっち」が小学1年生の時、たびたび家の財布からお金を盗んでいたのが発覚したことをお伝えしました。

前回記事はこちら↴

にっちに聞くと、「こうえんでおとこのひとに『おかねをもってこい』といわれたから」、と言います。

 親としては、もちろん子どもの話を信じたい。だけど、話をよく聞くと辻褄が合わないところもあって、どうにも違和感がある。

 とても悩んだ末、私たち夫婦が出した答えは「にっちの言葉を信じる」でした。

 にっちの言葉を信じると決めた私たちは、小学校と警察署に行って事情を話し、対応してもらうことになりました。それでは、それぞれについて詳しくお話しします。

まずは小学校へ相談に…先生の反応は

 私たちはまず小学校に相談をしました。学校外の出来事とはいえ、小学校の児童が関わっている可能性があるからです。

 事件になりうる事態ですので、小学校はすぐに面談の場を設けてくれ、当該児童を特定しようとしてくれました。

 しかし、にっちに高学年のクラスの写真を見せても、「いない」と言います。

 遊んだ場所は校区のど真ん中。本人の印象では高学年とのことでしたから、正直、本当の話ならこの段階で見つかる可能性が高いと考えていました。ただ、同じ学校の児童でないとすると、可能性は低いものの、別の学校の小学生か、中学生かもしれません。

 先生は、「小学校から学区内の中学校に、こういうことがあったと報告します」と言いました。

 そして、ひと息置いた後、「ただ、ここから先は中学校の協力が得られるとは限らないので、その男子を特定する作業をすることが難しくなるかもしれません」と、言いました。

実際、中学校からは、「指導します。気を付けて様子をみます」というだけで終わってしまいました。

続いて警察署へ

 その後、私たちは最寄りの警察署に行きました。受付で概要を説明すると、生活安全課の方が出てきて、会議室に通されました。

 私たちが一通りの説明をした後、警察官の方が言いました。

 警察官「お父さん、お母さん。申し訳ないのだけれど、13歳以下は刑事罰に問えないのです。本当だったとしても、事件にはできません。だから現実的な対応として、捜査はしません」

ちっち&はっは「そうですか」

 警察官「もちろん、しばらくの間その公園をパトロールするようにします。不審な男がいないか、子どもたちの様子を観察します。ただ、残念ながら揉めている様子がなければ、積極的には介入できないので、見落としてしまうかもしれません」

 要するに金銭の授受をしていたとしても、友達の貸し借りの可能性もあるし、警察は何もできないとのことでした。

 警察官「お父さんお母さんもご面倒でしょうけれど、しばらくはお子様を一人にさせないでください。きっと本人は怖い思いをしていると思うので」

 ちっち&はっは 「はい、おっしゃる通りです」

 そして、警察官の方はこのように切り出しました。

 「それでですね…、提案なのですが、私どもの方から本人に少しお話をしてもいいでしょうか」

警察署に呼ばれたにっち

 警察官の方は私たち夫婦にこう言いました。

 「お子さんはまだ1年生で純粋な時期です。親御さんがいくら言っても響かないことでも、警察の制服を着たおまわりさんから言われると、あぁやめようってなるかもしれないと思います」

 私たちは「ぜひお願いします」と答え、後日、にっちを警察署に連れていきました。

 はっは「おまわりさんが、にっちにお話をしたいことがあるんだって」

 にっち「うん…わかった」

 生活安全課の鉄格子のはまった窓の部屋(まるでドラマの取調室!)に、にっちと女性のおまわりさんが向かい合って座ります。

 警察官「にっちくん、私は○○警察署の山田です。これが警察手帳ね。本物だよ」

 緊張を和ませてくれる優しいおまわりさん。

 にっち「ピカピカしてる」

 警察官「そうだね。今日はね、君に伝えたいことがあって来てもらったんだ。にっちくん、お母さんのお財布からお金取ったでしょう? 」

 にっち(ちいさくコクリ)

 警察官「それはね、『どろぼう』だよ。君のやったことは『どろぼう』。次に君がまたやったら、おまわりさんは君を捕まえて牢屋に入れないといけない。もう絶対にしないでね」

 にっち(コクリ)

まとめ

 その後、我が家では5つの対策をしました。

 1:放課後の長男にっちの遊びには母が必ず付き添う
 →その後、その男は現れなくなりました。(と、にっちは言っています)
 2:親の財布は基本的に金庫で保管する
 3:財布に今いくら入っているのかを常に把握する
 4:子どもだけで金銭のやり取りはしないというルールを決める
 5:「お金持ってこい」と言われたときに断るシミュレーションを何度もする

 結局にっちは、本人の言う通り男に脅されて金を渡していたのか? それとも友達にお金を配っていい気になっていたのか? 本当のところは分かりません。5年経った今本人に聞いてみても、「本当に男がいたんだってば!」と彼は言います。

 ただ、話が具体的にはならないままなので、どちらかというとお菓子やジュースを友達と山分けしていた可能性の方が高そうだと、私は思っています。

 とはいえ、早い時期に「悪いことはしたらだめ」と警察官に直接釘を刺される機会があったのは、良かったことだとも思っています。この事件以降、お金は厳密に管理していますが、減ったことはありません。

 トラブルを起こさないために、子どもが外で何をしているのか、親は目を離してはいけません。子どもだけの世界にすると不適切な行動がエスカレートしうるというのは、全保護者が心に留めておくと良いでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました