なぜここに? 洗濯機から出てきたのは…
にっちが小学校に入学して1年が経とうとした春のある日のことでした。
なんとなく小学校の生活リズムや決まりに慣れてきた様子にホッとしたある日、公園から帰った泥のついたにっちの洋服だけを洗った洗濯機の中から、千円札が出てきました。
はっは「なぜ…?」
我が家では、子どもたちにお小遣いをあげていません。欲しいものがあれば一緒に買いに行くので、お金を持たせたことはないのです。
このお金は財布から抜かれたのだ!と、はっははすぐに気づきました。
はっは「ねえ! なんでだろう! 洗濯機から千円札がでてきた!」
いっちとさんちは、ぽかんとしています。
にっちは目をそらし、じーっとしています。
はっは「にっちがお金取ったの?」
にっち「……」
はっは「どうして?」
にっち「……」
はっは「おしえて」
にっち「…おかねもってきてっていわれた」
はっは「だれに?」
にっち「こうえんであったおとこのひと」
長男のまさかの告白
話をまとめると、にっちは公園で会った小学校高学年~中学生の男子にお金を要求されていたそうです。最初は10円玉や100円玉を渡していましたが、次第に「紙のお金を持ってきて」と言われ、半年にわたって1000円札を何度も渡していた、ということでした。時々断ると、蹴られたりしたようです。
これには本当に驚きました。にっちの言葉通りならば、半年かけて我が家の財布から3万円ほどなくなっていたことになります。まさか家の中でお金をとられるとは全く想定していなかったので、カバンや財布は子どもの手の届くところに置いていました。
はっはは、家計簿をつけてはいたものの、財布の中身と家計簿を合わせる作業はしていませんでした。そのため、半年もの長い間、財布からお金を抜かれていたことに気が付いていなかったのです。
にっちが小1になったことで、親としては「子どもの遊びに付き添わなくてよくなってラッキー」と思っていましたが、まだ目を離すのは早すぎたようです。
子どもを信じたいけど…なんか変
7歳の子どもが巻き込まれた金銭トラブル。まずはにっちに話をよく聞き、何があったのかの事実と、本人の気持ちを書き出しました。
普段は怒りん坊のにっちが、とても静かです。
正直言って、にっちの言っていることすべてが本当かどうか、私は判然としませんでした。
話すたびに言うことが微妙にちがっていたし、いつもは怒りん坊のにっちが神妙すぎて、変だったからです。
同じ場所で一緒に遊んでいたにっちの友人に尋ねてみても、「知らない」「その件については言いたくない」などとハッキリしません。
どうしても詳しい部分が曖昧なので、お金を取られたというのはあくまで作り話で、自分や友人にジュースなりお菓子なりを買っていたのかもしれないとも思いました。
子どもを信じる? 夫婦が出した答えは
私たちは悩みました。
にっちの言葉がすべて本当だとは思えなかったからです。
確かな事実は、「にっちが母の財布から金を盗っていたこと」だけです。
7歳の少年にとって、10歳~15歳くらいの男子はとても大きく見えるでしょうし、大きな恐怖を感じるはず。ですが、にっちには夜驚もないし、暴れたり泣いたりといった精神的な不安定さは感じません。
年上の男に脅されていたにしては、落ち着いているようにも見えます。
ただ、この話が本当だった場合、親が自分の言葉を信じなかったというのは、今後の彼との信頼関係を大きく損なうことになるでしょう。
悩んだ結果、にっちの言葉を全面的に信じ、真実だとして各所に助けを求めることにしました。
後半となる次回では、その後の様子をお伝えします。
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