ある日、はっはが号令をかけました。
「今から、おうち夏祭りを開催します!」
発表された公式ルールはこんな感じです。
「1人、1店舗を担当すること」
「商品の値段は自分で考えて決めること」
「お店に必要なものを考えて用意すること」
「ズルはしないこと」
その後、みんなでスーパーへ買い出しに行った時に、子どもたちは希望の店を決めました。
いっち「射的屋さんと、かき氷屋さんをやる! 」
にっち「やっぱ、ここは焼きそばでしょう~~」
(「外に出たくない」と留守番をしていたさんちには、スーパーの小さいおもちゃコーナーにあった、スーパーボールすくいセットを買ってきました)
いっち「氷は冷蔵庫にある、射的のゴムと割りばしもある。あとは、かき氷のシロップがあれば…。よし、ブルーハワイとメロン味のシロップを買えば、400円でお店ができる! 」
にっち「焼きそばには、麺と、キャベツ?…あとは何? 何がいる?」
はっは「考えてごらん」
にっち「…? 」
はっは「焼きそばには何が入ってる? 」
にっち「…もやし? …だけかな」
というわけで、にっちの焼きそばの具材はキャベツともやしだけになりました。しかし、これがお店にとって吉と出るとは、その時は思ってもみませんでした。
ちなみに、私ちっちもフランクフルト屋さんでおうち夏祭りに参加しました。
看板も用意して、みんなで出店準備
いつもは家事などしない子どもたちですが、自分の店のために今日はテキパキ動きます。
焼きそばを作ってパックに詰めて、並べるにっち。
かき氷の看板を作るいっち。
さんちは、ポイとボールすくいの看板を準備するのに加えて、一生懸命お祭り用の紙幣を作ってくれました。
約5千円で買った綿あめ機。(セルフサービスです)
綿あめって、どうしてこんなにワクワクさせるのでしょうか。巻くときも食べるときも、子どもたちは盛り上がっていました。
目の前でフランクフルトを焼けば、お祭りらしい雰囲気がアップします!
子どもがおうち夏祭りで学んだ商売のコツ
さて、おうち夏祭りをやってみたところ、子どもたちにはこんな学びがあったようです。
・ 仕入れた金額より高い値段で売らないといけない。
・ 500円で仕入れて500円で売るとタダ働きになる(驚き)
・ 500円で仕入れて1000円で売るとあまり売れなくなるが、全部売れたら儲かる。
・ 儲からないと次の仕入れができない。
・ 仕入れ値(原価)を下げるには、肉を入れない。安いもやしでかさ増しする。
・ 人の流れが焼きそばに集中する→人気のあるもので商売をしたらいい。
・ ほかの人と同じことをしても仕方ないから、肉あり焼きそばを作って値段を上げて売るか、人気の焼きそばと同じ主食系の焼きおにぎり屋さんをする。
・ スーパーボールすくいは、人々の食欲が満たされないとお客さんになってくれない。(食欲>エンタメ)
・ 誰かがお金を止める(買わない)とみんなが買わなくなる→経済が止まる。
・ 銀行で新たにお金を刷ると、また経済が動き出す。(「日本銀行の役割だね、これ」byにっち)
おうち夏祭りの仕入れ、売上、利益を下にまとめてみました。
おいしく楽しく学べるおうち夏祭りは、かき氷機や綿あめ機を購入しても1万円強でできるので、おすすめです。
まとめ
元々は、暑すぎて出かける先がない中、家での過ごし方が下手な我が子3人が楽しめるように企画しました。
親から見ると幼い部分も目立つ子たちなので、店主を務められるかどうかが不安でした。しかし、低学年の次男さんちも含め、それぞれがきちんと考えた行動をしているのがわかり、親側が驚かされました。体力が必要なので頻回にはできませんが、定期的にやってみようと思いました。
さらに今の時代は、親の支払いもクレジットや電子マネーに移行し、子どもたちのバス運賃の支払いも交通系ICです。そのため、私たち中年世代が子どもの時に感じていた「500円の万能感」を、今の子どもたちは味わいにくくなっているように思います。
また、近年の物価上昇によって100円で買えるものが少なくなったため、「100円を効率よく使って、沢山お菓子を食べるには?」と、子どもが一生懸命頭をひねる機会もなくなったのではないでしょうか。
今回のおうち夏祭りによって、世の中で売っている値段の後ろには、仕入れた値段+働いた値段+次回の事業のお金があることに、子どもたちは気が付いたようでした。
実際に疑似的なお金を動かす「仕入れ」や「販売」を経験したことで、子どもたちの世界の見え方が変わればいいなと思っています。
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