かんしゃく(癇癪)の対応3つ

daily life for ASD

皆さんは、街で癇癪を起こした子どもを見かけたときに、どうしていますか?

 先日、当事者(子どもの親)としてはどうしてほしいのかを調査したところ、

9割の人が「何もしないで通りすぎて欲しい」という希望でした。

 なぜ何もしないで欲しいのか、実際の心情をお伝えします。

まるで爆弾処理 「癇癪の対応」

癇癪を起こしたとき、人はどうなるでしょうか。

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 何らかのきっかけで、感情が爆発して本人にもコントロールできない状況です。子どもによっては暴言や暴力が出ます。さらに、その状況でも、少しだけ周囲の声が聞こえています。なので、追加の周囲の言動が「火に油を注ぐ」状態となって、さらに、癇癪が加速することがあります

 癇癪の時、親の頭の中はフル回転です。

 子どもの周囲に危険はないか?
 子どもが周囲へ危険な行動をしないか?
 今、どの言葉、態度ならば少しは落ち着けるか?
 今のNGワードは何か?
 どれくらい待てば、会話ができるくらいの状況になりそうか?

 何にせよ、唯一できることは落ち着くのを待つことだけです。周囲から見ると「大騒ぎしている子どもを、野放しにしている親」に見えるかもしれません。

 その状況で「子の特性を知らない周囲の人が介入するとどうなるか」ですが、よくあるのが、

 「うるさい。甘えるな」など、子どもにタブーな声掛け。
 「ちゃんとしつけをしろ」「虐待しているのではないか」といった、親への視線(実際にわが家は通報されたことがあります)。

 こうした対応は、本人の癇癪を悪化させたり、親側に負担を強いる結果となったりすることがあります。一方、温かい目で「あらあら、大丈夫?」と助けようとしてくれる方もいます。

介入するのは何がダメなの?

力になろうとしてくれていることは大変ありがたいことです。しかし、介入は「ほとんどの場合」余計なお世話になってしまいます。

 その最大にして唯一の理由
 それは、子とその時によって、
 「一人ひとりにNGワード・NG行動が違う」
 からです。

 癇癪のタイミングも、子の背景もさまざまです。うっかり地雷を踏むと、さらなる大爆発となります。

 結局、癇癪の時に有効だったのは、
 (1)まず何よりも時間。ある程度放っておくこと。

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 ケガをする危険がなければ、周囲に人がいようと、大声で泣こうと気にしない。

 あとは、親と子の両方に余裕があれば、

 (2)気持ちを聞く。
 原因が分かっていれば、本人の気持ちを代弁する。

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 親側に余裕はないが、子に余裕がある時は
 (3)恥ずかしさを捨てて、一緒にパニックになってみる。

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 そして、いつも心の中で意識していた癇癪の大原則は、
 「正しい対応を、全力でしても収まらない時は収まらない」。
 そんな簡単にできる対処法があって、収まるんなら、「障害」とは呼ばれないよ
 ということは、自分のためにも子どものためにも意識していました。

 ヘルプマークが普及してきましたが、具体的な支援のコツ・やり方は傍からは分かりません。なので、そっと心の中でエールを送って見守ってもらえたら一番嬉しいです。

 もちろん、今までも街の皆さんには救われたことはありました。
 前にバスで癇癪を起こしてしまった長男。大声で暴れ、わめき散らしていました。
 周囲からは冷たい視線が注がれる中、近くに座っていたおじいさんが、
 「あぁ、気持ちのこもったいい大声だ。こんなに、しっかり主張ができて、この子はきっと大物になるなぁ。お母さんは、いい子育てをしている」
 と、言ってくれました。

 泣いている本人を誉め、その子を育てている親を誉め、温かく見守ろうと周囲を促してくれたことで、こちらも救われる思いでした。

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